年齢別に膝痛の原因が異なる?
こんにちは!整形外科医で膝痛を専門にしているDr.翔平です。
膝痛はお年寄りから若者まで幅広い方々が抱える問題であり、その原因は様々です。
今回は、それぞれの年代で高頻度に起こる膝痛の原因をお伝えします。
この記事を見てほしい方
- 膝痛を患う全ての方
- スポーツを頑張っている子供を持つ,お父さま お母さま
- おじいちゃんおばあちゃんが膝痛に困っている御家族
年代別に膝痛の原因を見てみよう
膝痛の原因となりやすい疾患を年齢別に列挙します
青少年の膝痛(小学生~高校生)
1. オスグット・シュラッター病
2. 半月板損傷
3. 膝蓋骨亜脱臼
4. 膝蓋腱炎
5. 前十字靭帯損傷
青年から中高年の膝痛
1. 膝蓋大腿関節痛
2. 半月板損傷
3. 前十字靭帯損傷
4. 変形性膝関節症(初期段階)
高齢者の膝痛
1. 変形性膝関節症
2. 半月板損傷
3. 鷲足炎
青少年の膝痛(小学生~高校生)
小学生から高校生の成長期の子どもたちの中でも、部活動を頑張っている子に生じやすい膝痛の原因を5点挙げました。
1. オスグッド・シュラッター病
概要: 成長期の子どもたちに多く見られる膝の痛みの原因の一つで、膝蓋腱が付着する脛骨の隆起部に炎症が生じる病気です。運動を頻繁に行う活発な子どもに特に多く見られます。
症状: 膝の前部に痛みが生じ、腫れや圧痛を伴います。
対策: 痛みがあるときは休息を取ることが重要です。また、氷で冷やすことで炎症を抑え、ストレッチや筋力トレーニングで予防を図ります。
2. 半月板損傷
概要: スポーツ活動中に膝をひねったり、急な方向転換を行ったりすることで、半月板が損傷することがあります。特にサッカーやバスケットボールなどの競技で発生しやすいです。
症状: 膝の痛み、腫れ、動かしにくさを感じます。場合によっては膝がロックされる感覚があることもあります。
対策: 早期の診断と治療が重要で、必要に応じて理学療法や手術が行われます。適切なウォームアップとストレッチが予防に役立ちます。
3. 膝蓋骨亜脱臼
概要: 膝蓋骨(ひざのお皿)が正常な位置からずれ、亜脱臼状態になることがあります。スポーツ活動中に膝をひねったり、急に動かしたりすることで発生します。
症状: 膝の前部に強い痛みを感じ、膝が不安定になることがあります。
対策: 脱臼した膝蓋骨を元の位置に戻す整復と、その後のリハビリテーションが必要です。筋力強化と安定性を高めるエクササイズが予防に効果的です。
4. 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
概要: ジャンプやランニングなどを頻繁に行うことで、膝蓋腱に繰り返し負担がかかり、炎症が生じる状態です。バスケットボールやバレーボールなどでよく見られます。
症状: 膝の前部に痛みがあり、特に運動中や運動後に痛みが増します。
対策: 痛みがある場合は休息を取り、氷で冷やして炎症を抑えます。理学療法で筋力を強化し、ストレッチで柔軟性を高めることが予防に役立ちます。
5. 前十字靭帯損傷
概要: 前十字靭帯(ACL)は膝の安定性を保つ重要な靭帯であり、スポーツ中の急な方向転換やジャンプの着地で損傷することがあります。
症状: 膝に突然の激しい痛みが走り、腫れが生じます。膝の不安定感やぐらつきが伴います。
対策: 急性期にはRICE処置(Rest, Ice, Compression, Elevation)が推奨されます。スポーツ継続を希望する場合は手術が必要になることもあり、リハビリテーションで筋力と安定性を取り戻すことが重要です。
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